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女教師は二度抱かれた [舞台]

突然仕事が落ち着いたので、映画TOKYO」を観に行くか、
コクーンに行くか悩んで、ひとまず当日券並んでみて無理そうだったら
映画にしようと思い。文化村へ向かった。

無事チケットは取れた。意外と当日券いけるもんだな。
もちろん3時間スタンディングなんだけど。

「女教師は二度抱かれた」
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/lineup/shosai_08_onnakyoushi.html

jokyo.jpg
まず、タイトルがすごい。
女教師が抱かれるだけでも、なんだか卑猥でよくわかんないのに、二度も。
そして、ポスターの河井克夫の絵。
荒波の前で抱き合う男と女。多分この女が女教師なんだな。

あらすじとしては、小さな劇団の演出家の天久六郎(市川染五郎)が、
歌舞伎界の異端児滝川栗之介・滝クリ(阿部サダヲ)に見初められ、伝統の歌舞伎×前衛の小劇団
というよくある組み合わせでタッグを組み、新しい分野に挑もうとしている。
一方でこれから成功を掴もうとしている六郎は、時折悪夢にうなされた。
高校時代の演劇部の先生、山岸諒子(大竹しのぶ)が「顔がないの」と叫ぶ……、というもの。
六郎を名演出家にすべく育てた諒子と六郎の間には、師弟を越える関係があった。
しかも、その情事は田舎の小さな町ではすぐ評判になり、噂は広まっていった。
「僕は有名な演出家になったら、必ず先生に演技をつける」という六郎の言葉だけを信じて待つ諒子。
諒子の存在に後ろ髪を引かれながらも、自分の成功へ一歩ずつ前進する六郎。
そして、滝クリと六郎は伝統を壊す新しい舞台を作ろうとするが、そこで滝クリが選んだ脚本は
「女教師は抱かれた」(だったっけ?すみません題名忘れました)という、
六郎が学生時代に書いた、諒子と六郎の半自伝的な戯曲。
その脚本を前に、再び悪夢にうなされる六郎、そして諒子との再会。
あと、滝クリにも降りかかる突発的な事件もあったわ。二丁目での出来事やお子様ランチショー。
そして、そして、いろんな糸が複雑に絡んで……。

どうなってるのーーー! 答えてちょーだい!

すごーく簡単に書くとこんな感じ。もっともっと、他の役にもエピソードがいっぱいあるし、
主人公の二人だけじゃなくって、それぞれの役に見どころがある。

見終わった後に映画と小説の「クワイエットルームへようこそ」をくっきりと思い出した。
と思って、パンフを読み返してみたら、描きたいことの要素として、クワイエットの続編という
ニュアンスを松尾氏が語っていたので、やっぱりなあと納得。

「クワイエット〜」の時は、雑誌で内田さんにインタビューした経緯もあって
映画も何度も観て、小説も何度も読んだけど。個人的にものすごく共感できた部分があって。
それが、狂気と正気は紙一重ということ。
誰もがいつクワイエット行きになるかなんてことは分からなくて、
人は強いようでいて、弱いし、弱いようでいて、実は強かったりして。
いつプツーンと糸が切れちゃうかなんて、誰にも分かんないのだ、ということを
ものすごく実感させられてしまったのだ。だから、ものすごく特殊で個人的で
妄想的なストーリーなのかもしれないけれど、観る人はそれぞれに共感できるポイント
話のどこかにちりばめられていて、どんなに小さな役でも、その一つひとつに対して
愛情が注がれているんだなあ、というのを、本と映画両方から感じて。
人のもろさを笑いに変えて、でもすごく誠実に書かれた物語には、
本を読んでも感動して、映画を観てさらに感動してしまったのです。

と、クワイエットの話になってしまったので、話を戻すと。
まあ、おんなじようなことが、「女教師」にも言えると思ったのです。
これ小説にならないでしょうか。戯曲でもいいんですが、もう一回文字でも堪能したい。
六郎の運命にガツンとやられる人もいるだろうし、
諒子の翻弄されて精神が崩壊してしまった人生(ある意味幸せかもしれないが)に共感する人もいるでしょう。
泉ちゃん(市川美和子)の殴られタイプの女は知り合いにいます、デキル女性に多い気がします。
だから、感想はおんなじ感じで、やっぱり共感の持ちどころはいろんなところに散らばっているのです。

細かいところだと、
江川紹子(池津祥子)は、立ち見席からだと本当に浅野温子に見えました。
そして、なんでこの役名にしたのでしょう?思いつき?何か深い理由があるのか?
鉱物圭一(浅野和之)の身体の柔らかさにはいつも驚かされます。
この芝居の宣材の写真を見て、宮川大輔が出てるんだと勝手に勘違いしてました。
元気・三郎(星野源)は歌声が意外に渋くて惚れました。
弁慶(荒川良々)のちょっと似合わないヤクザっぷりもよかったです。
ルクルーゼ・お子様ランチ(松尾スズキ)は、もう何がすごいって、すごい。

あと、大竹しのぶのものすごさはクワイエットで驚愕して、今回は驚きというよりは
ひたすら「すごいなー、すごいなー」と舞台から発せられるパワーをひしひしと遠くで感じていたんだけど、
今回、市川染五郎の生の演技を観られたのは、よかったなあ。
なんなんだろう、あの脱力感とダメな感じ。で、ものすごい存在感がある。学生服は怖かったけど。
歌舞伎をやっているところをぜひ観てみたい。

本当に生で観られてよかった、よかった。
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